歯の表面のプラーク(歯垢)の中には細菌が存在します。細菌は飲食物の中の糖分を摂取・分解して酸を出し、この酸により歯は溶かされます(脱灰)。
しかし、人の唾液は酸を緩衝して中性に近づけることで歯を守ります。また、カルシウムやリン酸を含んでおり、これらが脱灰された歯を修復(再石灰化)します。
糖分の摂取が頻繁で、酸の緩衝や再石灰化が間に合わずに脱灰された状態が続くと、その部分はそのうち崩壊することとなり、やがて虫歯になります。
虫歯により崩壊した歯質は、再石灰化等により自然に回復することはありません。虫歯の穴を埋めて修復する歯科治療が必要になります。また進行した虫歯では、歯の神経にまで細菌が達します。こうなると歯の神経を抜く大掛かり治療が必要になります。さらに進行した場合には、歯の根元にまで細菌が達して病巣ができて、その結果歯肉から膿が出ることもあります。この場合歯を抜かなくてはならないこともあります。
当院では歯をできるだけ削らず、保存できるように配慮しています。また、痛みの少ない治療を目指しています。虫歯の状態により、治療方法が異なります。
【虫歯が神経に達していない場合】
歯の表面のエナメル質にだけ穴が開いていますので、その部分を削ります。歯の色と同じレジン(プラスチック)を詰めます。形を整え、治療は完了です。時間は30分~45分で、一日で治療は完了です。
【虫歯が神経に達している場合】
虫歯が神経に達し、歯髄炎を起こした状態。麻酔をして、歯を大きく深く削り、神経を取り除きます。取り除いた部分にお薬を入れ、汚れがなくなるまで何回かお薬の交換を繰り返します。きれいになりましたら、神経に代わるお薬を詰め、被せ物の土台を立てます。その上から型取りをし、被せ物を装着して完了となります。期間は一本治すのに3~5週間、長い場合には数か月かかる場合もあります。大きな虫歯を作らない用に、早めの受信でむし歯の早期発見をしましょう。